現代版組踊を担う子供たち
Vol.15 東浜夏希
Vol.15 東浜夏希(ひがしはま・なつき/23歳)
高校2年の時に、現代版組踊「肝高の阿麻和利」に出会い、以来、のびやかな歌声と
豊かな表現力で現代版組踊の歌姫として活躍してきた東浜さん。
最近では、現代版組踊「大航海レキオス」、「第4回世界のウチナーンチュ大会」テーマ
ソング「ニライへの風」などで多くの方に知られるようになりました。TAO Factory立ち上げ
から2年間、スタッフとして社会勉強をしてきましたが、その中で見つけた大好きな「歌」と
ライフワークである「保育と福祉」のジョイントという夢に向かい、4月から新しい一歩を踏み
出す彼女に、現代版組踊との出会い、これからの目標など話を聞きました。
出身地:沖縄県うるま市
参加した舞台
・現代版組踊「肝高の阿麻和利」(2000年〜2006年)
・現代版組踊「大航海レキオス」(2005年〜2006年)
・現代版組踊絵巻「大琉球浪漫」(2006年)
・「The Legend of the REQUIOS〜ニライへの風〜」(2006年)
・「シギラの月」ダンスコンサート(2006年)
・現代版組踊「琉球エレジー」 (2007年)
・新作芝居「琉舞の花道」(2007年)
趣味…ソフトボール
「大航海レキオス」終演後(2005年7月)、ロビーで歌う夏希さん(右)
初めはボーカリストではなく、スタッフとして参加しました
−「肝高の阿麻和利」に参加したいきさつを教えてください。
「きっかけは、高校2年の時に在籍していた与勝高校で行われた『平和の舞台』です。
平田さんや「阿麻和利」メンバーも多数参加していました。とはいえ、その時の私の役割は
“ナレーター”で担当の先生とずっと別室で練習していたので、メンバーや平田さんとの接
触はほとんどありませんでした。でも、舞台が終わって1、2週間後ぐらいに、ちょうど“きむ
たかキッズリーダーズ”のキャンプがあるので、良かったら参加しないか?って平田さんが
声をかけてくれたんです。子供の頃から自然活動が大好きだったので、“行きます!”と
即答しました(笑) 後で平田さんに聞いたら、舞台に参加していたのに一度も話をしなか
ったから、どんな子なんだろう?と興味を持ってくれたそうです」
─そこで初めて、『阿麻和利』メンバーや平田さんの輪の中に入ったんですね。第一印象は
どんなでしたか?
「キャンプメンバーのほとんどが『阿麻和利』の第一回公演に出演していたので、すでにチームが
出来上がっていました。初参加は自分ひとり。しかも、一番年上という理由で、リーダーに選ばれ
たんです。ほとんど初対面のメンバーをどうやって引っ張っていったらいいんだろう…と正直、戸惑
いました」
─どうやって引っ張っていったんですか?
「自分が引っ張るというより、メンバー皆が私を認め、支えてくれたから、リーダーとして成長できた
のだと思います。人見知りの私ですが、『阿麻和利』メンバーの前では"素“の自分を出すことが
できました」
─そして、キャンプが終わって『阿麻和利』に参加。初めから、ボーカルを希望したのですか?
「いいえ。当時、『阿麻和利』にはバンドはなく、私は“映像係”でした。キャンプなどの映像を編集して
上映する係です。バンドが出来た当初も打楽器のジャンベの担当でした。小学校のとき鼓笛隊に
入っていたので、これなら私でも出来るかな、と思って。歌を歌うことはまったく考えていませんでした」
子供たちに、肝高くあること、夢を持つことの大切さを教えてあげたい
─では、歌うようになったのはいつごろですか?
「『きむたかホール』がオープンする頃、ボーカルオーディションがメンバー内であったんです。
オーディションといっても、全員で声を出したり、合唱したり。そのオーディションでボーカルに選ばれ
ました。小学生の時は毎年、合唱コンクールに出場するくらい歌が好きだったんですが、中学の時は
ソフトボール一色で、自分が歌を好きな事は忘れていたんですね。そんなときに、ボーカルに選ばれて
、“そうだ、私は歌が好きだった!”と思い出させてもらったという感じです」

「世界のウチナーンチュ大会」関連イベントで歌う夏希さん(中央)
─それからは「きむたかバンド」、「THE REQUIOS BAND」のボーカリストとして、平田さんの舞台では欠かせない存在になるわけですが、『阿麻和利』や舞台の活動を通して、自分がいちばん
変わった、成長したと思う部分はどんなところですか?
「成長した部分は、度胸がついた事。どんな人の前、どんな場所でも、自分の考えを自分の言葉で
話せるようになりました。そして、変わった部分は先ほどの答えと重なりますが、“素”の自分を
出せるようになったことです。『阿麻和利』に出会うまでは、人に対してに壁を作りがちでしたが、
ありのままの自分を認めてくれる仲間に出会えた事でだんだんと壁が低くなっていきました」
─夏希さんにとって「歌」とは何ですか?
「全てです。思いや感謝、愛情…自分の中にある全てを伝え、分かち合うことができるものが歌だと
思っています」
─4月から新しい一歩を踏み出すそうですが、今後の目標を教えてください。
「私は保育の世界に行きます。そこで、子供たちに「肝高く(きむたかく=志高く)」あること、夢を
持つことの大切さを教えてあげたいのです。学生時代に勉強したのですが、3歳までに吸収した事は
その後の人格形成に大きな影響を与えるそうです。その大切な時期に、私が舞台を通して学んだ
ことを教えてあげたいんです。そして、希望を持った子供たちで世の中をいっぱいにしたい。それが、
私を育ててくれた平田さんや仲間たち、舞台への恩返しだと思っています」
瞳に凛とした光をたたえ、まっすぐにこちらを見つめ、一語一語、言葉を選んで答えてくれた夏希さん。TAO Factoryは卒業するけれど、舞台や歌から卒業するわけではありません。自分にしか歌えない歌をうたうため、歌手としてもっともっと成長するために、選んだ道を歩き始める彼女を、心から応援していきたいと思います。
【INFORMATION】
夏希さんが日々考えること、歌についての思いなどをブログで綴っています。
彼女の生の言葉が読めるので、ぜひアクセスしてみてください。
東浜夏希の詩歳時記
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投稿者 tao-factory : 2007年04月02日 02:23
